「B級グルメ」は、安価で日常的に食べられている庶民的な飲食物のこと。
このページではA級・B級にこだわらず、
地域の人々に親しまれている食材を使った料理や、
地域の人々から愛されてきた料理の「ご当地グルメ」をご紹介しています。
▲徳島丼。450円
支那そば よあけ駅前店
徳島県徳島市一番町3丁目10 駅前ビル 1F
TEL 088-653-3369
【営業時間】11:00〜23:00 定休日/水曜日
支那そば よあけ
徳島県徳島市 二軒屋町2丁目46
TEL 088-652-3303
【営業時間】11:00〜22:00 定休日/水曜日

支那そば

徳島ラーメンの源流

 徳島ラーメンといえば、濃い味の豚骨醤油スープに豚バラ肉と生卵がのったタイプで知られている。徳島市の『よあけ』は、徳島ラーメンの源流にあたる店だ。豚骨と鶏ガラでスープを取った醤油ベースのスープは、なるほど、現在の徳島ラーメンの源流である。
 創業者の戸川英夫さんはもともと大阪の堺で刃物商を営んでいたが、昭和27年(1952)に徳島市の紺屋町で支那そばの屋台をはじめた。夜遅くまで営業していたことから「夜明けの店」と呼ばれ、『よあけ』の屋号となった。二軒屋でラーメン店を開業したのは、昭和29年(1954)のことになる。
 料理評論家の山本益博氏が「日本一好きなラーメン」として『よあけ』を紹介したため、一躍人気店となった。二代目の戸川憲治さんは、そのために体調を崩し、数年間ほど休業していたが、平成22年(2010)に営業を再開した。
 現在の二軒屋店は藤本二朗さんが陣頭指揮に当たる。懐かしさと美味しさが同居する味は、山本益博氏が絶賛した当時の味と寸分の違いもない。
伝統と新しい道の開拓
 長い歴史を経て、じっくり仕上げられた『よあけ』のラーメンは、インパクトの強い徳島ラーメンと比べると地味な印象だが、丁寧に築き上げられた深みのあるスープだ。古くからつきあいのある醤油屋に特注している。伝統の味を引き継ぐことができるのは、信用と信頼であるという。
 『よあけ』の「支那そば」には、徳島ラーメンの特長である豚バラ肉ではなく、豚ロース肉のチャーシューが丼に載る。
 平成23年(2011)3月には徳島駅前店がオープンし、孫娘の戸川ゆかりさんが後を継いだ。不動産会社の営業職を前身とするかおりさんは、有名店が集う「徳島ラーメン道志会」のメンバーとして、地域おこしに傾注している。駅前店のみで出される「徳島丼」は、徳島ラーメンを丼にアレンジ。豚バラ肉ともやしをたっぷり使い、中央には生卵が乗っている。まさに、徳島ラーメンの丼版である。
 ゆかりさんは、「親と意見が合わないこともある」と少し悲しげな顔をした。祖父と父がつくりあげた伝統というハードルを乗り越え、孫娘が徳島の地で新しい道を拓こうとしている。

四国B級ご当地グルメ連携協議会(四B連)
一般社団法人 四B連企画
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