「B級グルメ」は、安価で日常的に食べられている庶民的な飲食物のこと。
このページではA級・B級にこだわらず、
地域の人々に親しまれている食材を使った料理や、
地域の人々から愛されてきた料理の「ご当地グルメ」をご紹介しています。
1.溶いた粉とキャベツ、金時豆をよく混ぜて鉄板に乗せる。2.形を整える。3.徐々に火が通ってくる。4.火が通ったら、ひっくり返す。5.よく焼いて、できたら辛めのソースを塗る。6.コテで切り分けて、いただく。

金時豆が入った不思議な味の
関西風お好み焼き

  「豆焼き」は、主に徳島県で食べられているお好み焼きの種類で、甘く煮た金時豆を具として用いる。「豆玉」というメニューもあり、こちらは金時豆の「豆」と玉子の「玉」を合わせる。
 関西との交流が盛んな徳島県のため、お好み焼きのスタイルは関西風。水で溶いた小麦粉と刻んだキャベツ、ネギ、天かすに、甘く煮た金時豆を混ぜ込んで焼く。
 関西風お好み焼き特有のもちっとした生地の中に隠れた、こりこりとした金時豆が存在感を主張する。ヘラで切り分けると、断面に淡い赤紫色の粒が点在する。ソースの辛さに甘い金時豆というコントラストも面白く、味の変化が生まれるため、地元の老若男女を問わず人気がある。
 徳島県では、甘く煮た金時豆をそのまま食べるだけでなく、他の料理に使うことが多い。「徳島人は甘党の人が多いから」とも、「塩田が盛んな地域だったため、日頃と違う甘い味を土地の人が欲しがった」ともいわれる。
 金時豆はちらし寿司の具としても定番化している。また、徳島県はソースの消費量も四国内ではいちばん多い。「豆焼き」は、徳島県民おなじみの食材を使った、黄金のコンビなのである。
 砂糖をたっぷり使った食べものは、おもてなし料理の定番だ。貧しい時代、砂糖を使うことは究極の「贅沢」だった。また、甘く煮た豆は、保存食にもなり、食卓の常備菜でもある。お好み焼きのトッピングとして、身近な金時豆を使ったとも考えられる。
 何はさておき、「豆焼き」や「豆玉」は、徳島県の常識であるものの、日本全国で見ると非常識な食べもの。食べものの世界は、まことに多様だと感心させられる。「食わず嫌い」に陥ることなく、「豆焼き」や「豆玉」にチャレンジして欲しい。ご当地グルメ通の旅は、そこから始まるのである。

四国B級ご当地グルメ連携協議会(四B連)
一般社団法人 四B連企画
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