「B級グルメ」は、安価で日常的に食べられている庶民的な飲食物のこと。
このページではA級・B級にこだわらず、
地域の人々に親しまれている食材を使った料理や、
地域の人々から愛されてきた料理の「ご当地グルメ」をご紹介しています。
▲店内に並ぶ人気のお菓子
▲商品に入っている「幸運のお守り札」。
日乃出本店
徳島県美馬市穴吹町穴吹
TEL 0883-52-1061
URL:http://www.budoumanju.com

ぶどう饅頭

「ぶどう」は「武道」

徳島自動車道・脇町インターから南に下がり、車で10分ほど走ると、JR穴吹駅がある。その前にあるのが、「ぶどう饅頭」で知られる「日乃出本店」だ。
 ぶどうの果実を餡に練りこんでいるから「ぶどう饅頭」の名がついたと思っていたが、それはまったくの間違いだった。
 剣山は、古くから山岳信仰の対象となっており、武道上達を祈願する多くの参拝客が訪れていた。「日乃出本店」のある穴吹町は、剣山への表参道にあたる。創業者の西川芳太郎さんは、大正3(1914)年に「武道」が上達するようにとの願いを込め、「ぶどう饅頭」を考案した。「ぶどう」の形を模したのもシャレを込めている。
 北海道産の白豆に砂糖やミルクを加え、じっくり時間をかけて練り上げ、小さな餡の玉を串でつなぐ。現在は串が見えるが、かつては饅頭であることを示すために、串が餡から出ないようにしていたという。

森永創始者のヒント

 芳太郎さんに「ぶどう饅頭」考案のヒントを与えてくれたのは、森永製菓創始者の森永太一郎氏であった。「森永ミルクキャラメル」が発売開始され、全国的に大変な人気を博す中で、餡にミルクを入れてみてはどうかとのアドバイスを受けたという。試行錯誤の結果、出来上がったのが「ぶどう饅頭」という訳である。
 芳太郎さんは、ユーモアがあり、人を喜ばすのが大好きだった。「ぶどう饅頭」の箱の中に、1億円の幸運のお守り札を入れたのも芳太郎さんのアイデアだ。一億円を手にして「楽しい夢と希望を連想」してもらいたいとの一億円のお守り札は、もちろん現実には使えないが、夢を膨らますためには十分な金額だ。
 「日乃出本店」四代目にあたる西川弘祐専務は「『ぶどう饅頭』が全国に知られるようになったのは、地域の皆様に支えられてのこと」と語る。毎月15日には、地元の皆様への感謝の気持ちを込めて、朝の7時から8時の間、無料の茶会を開催している。

四国B級ご当地グルメ連携協議会(四B連)
一般社団法人 四B連企画
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