はちきん思いの男たちを
満足させる料理
大皿の上に山海の珍味を盛りつけた豪快な科理が「皿鉢料理」だ。1尺3寸(約39センチ)ほどの大皿に、盛られたさまざまな料理。刺身を中心とした「生」、煮物、焼物、酢物に羊羹などのデザートを添えた「組み物」、鯖の姿寿司や巻き寿司、山菜寿司などを盛った「すし」の3枚が基本で、鯛の姿造りなどの皿が加わる
こともある。
「さわち」の意味は諸説あり、単純に「皿と鉢」を略して「さわち」となったというものと、磁器の浅い鉢を「砂鉢」「沙鉢」ということに由来するという説がある。
すべてを皿でまかなうのは、奥さんの手をわずらわせないようにするためといわれる。亭主関白にみえて、奥さんに頭の上がらない高知の「いごっそう」を反映した料理でもある。しかも急に人数が増えても困ることがない。会席のように、時間をはかって料理を出す手間も要らない。
宴を中断されずに楽しむことができるから、まさにお酒の大好きな高知県人にはぴったりの料理なのだ。 |