肱川のきれいな水でつくる
肱川の上流にある鹿野川ダムのほとりに『ひじかわ特産開発』がある。ここでつくられる『肱川らーめん』は、地域を活性化する目的でつくられる「特産品開発」の成功例だ。
当初、第三セクターの「ひじかわ特産開発公社」として設立され、さまざまな経緯ののち民間となった。「肱川生よもぎうどん」や「肱川しょうゆ」がつくられているが、ここでの主流商品は『肱川らーめん』である。
肱川流域のきれいな水を使ってつくられたこの地方の麺は、昔から美味しいといわれていた。そのためにコシの強い旨い麺にこだわった。特殊な製法や固有の素材に頼らず、何杯食べても美味しいと感じるオーソドックスな美味しさを目指したラーメンだ。
肱川の人びとの努力の末に誕生したのがロングセラー商品『肱川らーめん』である。平成7年(1995)に「週刊女性自身」の「全国お取り寄せコンテスト・とんこつ部門」で大賞を取り、全国から注目された。
美味しい麺の開発を進める
『肱川らーめん』には、豚骨特有の匂いとえぐ味を抑えた「とんこつ風」、特注調味料を使用した「しょうゆ味」や「しお味」、独自ブレンドの赤みそを使った「みそ味」の4種類。期間限定で「肱川冷麺」「肱川冷麺よもぎ入り」もある。
開発に当たっては、社員たちの忌憚のない意見を重ねて、次第にブラッシュ・アップを試みた。また、季節によって、塩や粉の配分を変え、ちょうど良い麺を届けることができるのは「生麺」の利点でもある。
これからの開発商品として、『肱川らーめん』を発展させた「ちゃんぼん」や「乾燥しいたけを練り込んだ麺」、「いのししラーメン」などもリストアップされている。
食べて帰りたい方に
つくるのが面倒という人には、道の駅内「レストラン華の森」で『肱川らーめん』を食べることができる。地元野菜をたっぷり加えた『ちゃんぽん』もある。 |