「四国ジビエ連携」第1回研修会報告
2013年6月21日(金)12時30分〜
四季美谷温泉

 6月21日、徳島県那賀郡那珂町の四季美谷温泉で「第1回ジビエ研修会」が開催されました。四季美谷温泉は、那賀町はじめ地元公共団体の出資により13年前に設立された第3セクターで、文字どおり春夏秋冬それぞれの美しさを見せる渓谷に面した温泉宿です。
 旅に不可欠の「食」。数ある山の幸の中、いま力を入れているのが鹿肉料理です。山間の町だけにいっそう深刻な様相を呈している食害を「害獣の資源化」という発想転換によって多少なりとも阻止できないか、ということから出発しました。
 成否を決めるのは「メニュー開拓」です。さまざまな取り組みをしてきましたが、決定的な成果をあげたのが4月1日に着任した中田雅之料理長です。平井滋支配人が執念をもって招聘した方です。「四季美谷温泉の鹿肉料理」のうわさを聞いて、広報誌の取材に訪れたのは4月13日でしたが、すでに何点かの新メニューが提供されていました。『BQ』第8号をご参照ください。  
 「ご当地グルメ」最大の要件=意義は「地域に愛されていること」です。このことは「新規メニュー開発」と微妙に行き違います。平井支配人たちは新メニューの開拓を続けるいっぽう、いかに地元の人たちに親しんでもらえるかに知恵をしぼっています。
 ここを開催地に選んだのは、いろいろと考えさせられる話題が多いということもありました。
 研修会には62人の申し込みがありました。

 「ジビエを産業にするための基礎講座」と副題にあります。
 第1講は「野生獣解体処理場の建設と運営」で、ホシザキ四国㈱コンサル室長の平田勝也氏とししの里せいよ施設長の舟本健氏が講義しました。平田氏は「処理場の役割は、野生獣を法令にのっとり効率的に処理すること」としたうえ、具体例を示しながら、「より合理的な施設の設計と運営のあり方を追求していきたい」と結ばれました。
舟本氏は、西予市の指定管理者として預かっている「ししの里せいよ」の設計や設備の改善点と運営上の問題点を、体験と実績にもとづいて報告しました。
 第2講は「シカ肉料理の実際」で、平井支配人による捕獲と解体の状況説明のあと、中田料理長からシカ肉料理の基本と実際について丁寧な説明がありました。ひと言で申しますと、洋風主流の現状にとらわれない自由な発想を活かそうということでした。
 第3講は「ジビエ料理の栄養価」で、ホシザキ四国㈱の管理栄養士・秋田有美さんが担当しました。シカ肉が高タンパク・低脂肪で鉄分が多いこと(とくに女性にお奨め)、イノシシ肉は良質のタンパク質とビタミンB群に富むうえミネラルの亜鉛が多く、滋養強壮に効果的とされていること(とくに男性にお奨め)などが説明されました。

 研修と同じくらい意義深いのが「交流懇親会」です。遠くは高知県宿毛市から参加した方もおり、交流はおたがいにとって楽しみであるとともに、いい刺激になったことでしょう。
 なにより、中田料理長が用意したジビエメニューが話題をよびました。抜き書きしますと:鹿肉ローストにぎり、ぼたん鍋、鹿ロースステーキ、鹿もも肉竜田揚甘辛漬け、鹿すね肉サラダ風、阿波尾鶏(汁)・・・。

 「第2回研修会」は9月27日(金)午後2時20分から、四万十市役所会議室で開催します。
 「西予捕獲チームの活動と最新技術」「イノシシ蓄養場の建設と運営」「ご当地イノシシグルメのいろいろ」がテーマです。
 「第3回研修会」は、日時・会場は未定ですが、「ジビエ料理店の開業」をテーマに開催する予定です。

 

四国B級ご当地グルメ連携協議会(四B連)
一般社団法人 四B連企画

@