▲代表の平塚さん

野菜レストランで地域活性

農家レストランしゃえんじり  平塚 聖子さん

しゃえんじり=野菜畑

 日本最後の清流といわれる四万十川の中流域に、四万十市口屋内地区がある。四万十市といっても、旧中村市域からは車で1時間近く離れていて、住民は川沿いにできた平地に集落や田畑をつくり、林業や漁業、農業などで生計を立てている。
 農家レストラン「しゃえんじり」は、四万十の家庭料理が味わえるバイキング形式の農家レストランだ。「しゃえんじり」とは奇妙な名前だが、漢字で書くとすんなり解る。「しゃえん」とは「菜園」。「じり」は「端」。この地方の方言で「野菜畑」や「庭の片隅」を意味する。
 地元で育った野菜や四万十川で獲れる魚介類を使って、12品以上の料理がテーブルに並ぶ。ここでは地域の女性たちが一生懸命働いている。

▲バイキング形式で料理を。

地域を元気にする仕事

 農家レストラン「しゃえんじり」のリーダーを務めるのが、平塚聖子さんだ。黒潮町で育ったが、結婚して口屋内に嫁いできた。たまたま休職となり、何か地域を元気にできるような仕事がしたいと、地域の女性たちと話し合って、平成16(2004)年に農家レストランを始めた。
 雑魚の粉を使う独特のダシの取り方に始まり、火振り漁で獲れる鮎や、腹に卵を抱いた川ガニ、新鮮な季節の野菜、豊富な柑橘類を使ったすし酢など、四万十川流域の自然の恵みを料理に仕上げる。口屋内では一般的な料理かもしれないが、『しゃえんじり』のテーブルには、安心安全が保証された美味しい料理がいっぱい並んでいる。

▲近くを流れる四万十川

遠くからのお客様

 お客さんは、地元の人は少なく、遠くからわざわざ訪ねてくれる人、四万十への観光客が多い。素朴な味つけと安心安全な料理に惹かれ、リピーターになるという。
 聖子さんは「おばあちゃんの味を覚えたいという人たちが、『しゃえんじり』をよく利用してくれます。ごく普通の料理ですけど、季節の材料を使い、地元の調味料でつくると、自然に美味しくなるのかしら」と語る。
 地域を元気にするには、自分の足下を見つめ、ふるさとを深く知り、地元を愛する気持ちが必要だ。普通の生活の中に、地域活性化のヒントが潜んでいることを「しゃえんじり」は教えてくれている。

 
四国B級ご当地グルメ連携協議会(四B連)
一般社団法人 四B連企画

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