アメリカで出版された『HEART of a SAMURAI』(ジョン万次郎の伝記/マージ・プレウス著)を持つ田中裕美さん。
▲土佐清水市の魅力を、まるごと詰め込んだ「サバーガー」

ジョン万パワーでバーガー開発!

「ウェルカムジョン万の会」会長 田中裕美さん

「街を元気に」との熱い思いが詰まったバーガー

 高知県で話題になっているのが土佐清水市の「サバーガー」だ。米粉でつくったバンズパンに醤油ベースのタレにつけた清水サバ(ゴマサバ)の揚げものとレタスを挟み、自家製ピクルスを混ぜたタルタルソースをかける。ハチミツやスパイス入りのタレが魚特有の臭みを抑え、サバのうま味をより強めた味わいのバーガーである。
 「サバーガー」を開発したのは、天神町の主婦たち4名。食の分野で土佐清水市の良さを伝えられないかと考えた結果、「サバーガー」が誕生した。すべて土佐清水のものでつくられた「サバーガー」を「土佐・龍馬であい博」に出品すると、食べた人々が「こりゃえい、ガツンとうまい」と好評。天神町のパン店「ポミエ」で販売されているが、評判を聞いた人々が休日に押しかけ、売り切れることもあるという。
 高知県土佐清水市は、四国南西部に位置し、風光明媚な足摺岬や奇岩景観の竜串などの観光と、カツオ漁をはじめとする漁港で知られる、人口約1万6千人の街である。また、幕末期の偉人・ジョン万次郎のふるさとでもある。
 ジョン万次郎は、漁猟中に難破したところをアメリカの捕鯨船に救われ、アメリカの教育を受けた。その語学力を生かし、日米修好通商条約批准書交換の使節団の一員として咸臨丸で渡米したり、日米和親条約締結の助言などを行い、日本の国際化に貢献している。地元では、親しみを込めて「ジョン万」と呼ぶが、坂本龍馬と比べるとその知名度は低い。

▲年末年始の天神町は、美しい光に包まれる
▲「だしが良くでる宗田節」やふりかけ

「ウェルカムジョン万の会」を結成!

 「サバーガー」考案の中心人物が「ウェルカムジョン万の会」会長の田中裕美さんだ。「ウェルカムジョン万の会」は、ジョン万の精神を子供たちや地域伝えようと、国際交流活動や地域おこしを行っている団体である。
 昭和62年、ジョン万次郎がアメリカ時代に過ごしたマサチューセッツ州フェアヘーブンおよびニューベッドフォードの二つの都市と土佐清水市は姉妹提携を結び、翌年には土佐清水市姉妹都市友好協会が誕生した。ホームステイをはじめとする姉妹都市との国際交流の中で、異文化に育った子どもたちを受け入れるため、アメリカの衣食住を研究しようと発足としたのが「ウェルカムジョン万の会」である。
 「ウェルカムジョン万の会」は、ジョン万の生涯を描いた絵本やカルタの制作、アメリカの「キルトショー」へのパッチワークキルト出展と、さまざまな分野で活躍している。
 また、日本一の生産量を誇る「宗田節」を新たな特産品にしようと『だしが良くでる宗田節』を開発した。小骨を除いた宗田節を詰めた容器に醤油をいれると、オリジナルのだし醤油が完成する。家庭で簡単に本物の宗田節のだし醤油が味わえると好評だ。
 毎年11月末から翌年の1月3日まで、天神町が幻想的な明かりに包まれる「天神バックストリートクリスマス」というイベントも10年前から開催している。パン屋、イタリア料理店、書道教室など、町内のおよそ70店舗が協力してクリスマスイルミネーションをつくりあげる。このイベントに温かさや懐かしさを感じるのは、みんなの熱い思いがつまっているためなのだろうか。

 

行動の根底にあるのは「ジョン万スピリット」

 田中さんたち「ウェルカムジョン万の会」の行動の背景にあるのが、「ジョン万スピリット」だ。あきらめない気持ちを武器に、不可能を可能に変えるのは、ふるさと土佐清水に対する熱い思いなのである。このスピリットがある限り、日米の友好の輪を広げる「ウェルカムジョン万の会」の実績は、さらに広がっていくことだろう。

四国B級ご当地グルメ連携協議会(四B連)
一般社団法人 四B連企画

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