(有)はたやま夢楽
〒784-0063
高知県安芸市畑山丙46
TEL・FAX 0887-34-8141
mail tosajiro@hyper.ocn.ne.jp
http://www.tosajiro.com |
|
▲鶏本来のうま味が楽しめる「土佐ジロー」の刺身
|
|
遊子から畑山へ
さて、今回の寄稿となったのは、偶然の出会いから。8月、奥山さんが畑山温泉にお越しの際、会食にみえた安芸の山本美栄さんたちに遊子の山内満子さんのことを引き合いに出されたことに端を発する。
私の故郷は、愛媛県宇和島市遊子水荷浦。高校・大学時代に、私はこの故郷で暮らすことを夢に描き、もがいていた。人間の生きる根幹である「食」を生み出す「職」が身近にある遊子の暮らしは、私にとっては、金銭に換えがたい至福の場所だった。勉強して都会の大手企業に就職することが何より素晴らしいことだと信じる周囲の大人たちには、呆れられた。けれど、独り段々畑に上り、草をひき、浜辺で釣り糸を垂れた。「うら若い女子が、年寄りのようなことをする」と大人たちから将来を悲観されたが、私自身は楽しかったし、自然の中に身を置くことが心地良かった。そんな気持ちをつづったホームページや寄稿文を通じて知り合った人たちが遊子を訪れてくれるようになり、我が故郷を讃えてくれた。そして、「ここに、もう生きる術は無い」と思っていた大人たちが、再び遊子に活気を取り戻すべく活動を始めてくれた。
私は愛媛で新聞記者になったが、昨夏、結婚を機に畑山へ移住した。思い続けた故郷とは違う場所を選んだのは、思いを共有できるパートナーの存在が大きく、夫の故郷を私の故郷として考えられるようになったから。自然の恵みも脅威も享受できる畑山の暮らしは、毎日が楽しい。間もなく、この地で子育てができることも嬉しい。今は、交流人口が圧倒的に多いけれど、我が子が成人するころには、住民である老若男女の笑い声が響く里山にしたい。そのためにも、土佐ジローを鶏らしく飼育し、人を惹きつける本物の食材として守り、産業として育ててゆきたい。 |
|