「B級グルメ」は、安価で日常的に食べられている庶民的な飲食物のこと。
このページではA級・B級にこだわらず、
地域の人々に親しまれている食材を使った料理や、
地域の人々から愛されてきた料理の「ご当地グルメ」をご紹介しています。
1.お客様を迎える屋根の上のランプにあたたかい灯がともる。 2.旅館の中に入ると懐かしい風景が広がる。 3.旅館を切り盛りする高橋さん親子。
柳屋旅館
 高知県須崎市西町1丁目1−22
 TEL 0889-42-0175 FAX 0889-42-4121
 http://sea.scatv.ne.jp/~arrow-tak/

細やかな心遣いが
息づく老舗の味

 創業明治25年という『柳屋旅館』は、古い伝統に支えられた老舗の宿だ。四国八十八ヵ所霊場番外札所で、四国別格二十霊場第五番札所の大善寺の門前に位置している。旅館を切り盛りするのは、高橋和代さん、直人さん親子。料理に部屋の掃除に大忙しだ。
 玄関の屋根に「柳屋」と書かれたランプが飾られている。時代を感じさせる低い天井の佇まいは、NHKドラマ「ウオーカーズ」など、テレビのロケにも使われたという。
 引き戸を開けると、広い土間に上がりかまちがしつらえられ、座敷机に柱時計、火鉢、民芸調の箪笥など、まるで時代劇のセットに迷いこんだようだ。
狭い間口の奥は意外に広く、畳敷きの奥から庭が見える。庭には樹齢100年以上というサボテンが植えられ、二階をゆうに越すほどに成長している。
 『柳屋旅館』で提供される料理は、宿泊客の間で評判になっている。地元の食材を厳選し、少しでも美味しい料理を届けようと、高橋さん親子は頑張っている。
 魚は地元・須崎で上がったもの。「須崎の魚」は、高知県でブランド化しており、獲れたての新鮮な魚が食卓の主役だ。女将さんは「須崎の人は舌が肥えちゅうき、美味しい魚しか店に置いてないのよ」と語る。
 野菜は、直販市で新鮮なものを購入。米は、土佐市のこだわりの農家から直接買い付けする。練り物や朝食の干物は地元の評判店から。朝の漬け物は自家製。地産地消をキーワードに、旬のもの、こだわりの逸品が食卓にあがる。
 「お客さんに喜んでもらいたいから、自分が食べたいものを出す」と女将さん。「田舎の料理」と謙遜するが、どの献立にもお客への心遣いが潜んだ一級の料理なのである。
 『柳屋旅館』の宿泊料金は一泊二食で6500円、素泊まりで4000円。「古い旅館やき、景気がようならんと、値上げはできん。儲けがないのはどうしょうかしらん」と、女将さんは料金の安さを笑い飛ばす。
 『柳屋旅館』には、古き良き時代の建物と思いやりの心が残っている。ただ、風呂とトイレはリフォーム。宿泊客の利用を考え、快適さを優先した。宿泊客にリピーターが多いのは、高橋さん親子の細やかな心遣いにあることに間違いない。

四国B級ご当地グルメ連携協議会(四B連)
一般社団法人 四B連企画
@