困りもののシカを
うまく利用する方法
平成23年5月21日、高知県立歴史民俗資料館(岡豊城跡)において開催された「第2回土佐の食1グランプリ」で、グランプリの栄冠に輝いたのが香美市物部町の「シカドッグ」だ。このメニューを開発したのが、べふ峡温泉鹿肉加工品製作部の西村直子さん。
ニュージーランドに約10年間住んで、2009年に帰郷したが、高知ではシカ肉は「獣臭い」と不人気で肉が余っていた。シカ肉は、日本以外では高級食材なので、きちんとした形で売り出せば人気が出ると考え、「シカドッグ」を開発した。
シカ肉の無添加ソーセージと相性のいいパンを探すのが大変だったという。食べ歩きの結果、地元のパン屋でつくられている歯ごたえの良い国産小麦・天然酵母のパンを選んだ。高知産野菜のたっぷり入ったソースが味の彩りを添える。 この味に魅せられた人たちが、べふ峡温泉をめざして集まってくる。
「美味しいものを食べて幸せ気分を味わってほしい」と西村さん。「シカドッグ」にはシカ肉への愛着と地元に対する愛情があふれている。 |