「B級グルメ」は、安価で日常的に食べられている庶民的な飲食物のこと。
このページではA級・B級にこだわらず、
地域の人々に親しまれている食材を使った料理や、
地域の人々から愛されてきた料理の「ご当地グルメ」をご紹介しています。
1.土台の上に魚粉、ネギ、天ぷら(じゃこ天)をのせる。2.その上に溶き卵をかける。3.火が通ったら、ひっくり返す。4.中にソースを塗る。5.端を折るのはスペース節減。6.オリジナルのスパイシーソースを塗ってでき上がり。
西村ペラ焼
 高知県土佐清水市幸町8-7 TEL0880・82・2752
 営業時間 10時30分〜19時 定休日  不定休
 (営業時間、定休日とも変更あり 要電話確認)

お婆ちゃんの焼く姿が
昭和を伝える粉もん

 土佐清水市のソウルフード「ペラ焼き」は、昭和31年開業という老舗「元祖ペラ焼き 西村」に始まる。初代の若杉光さんが大阪にいたとき、近所のおばちゃんが焼いてくれた味が忘れられず、高知県に帰郷して店で出すと、その味に魅了される人が続出した。
 「元祖ペラ焼き 西村」では、大きな鉄板の下に練炭火鉢が置かれているが、この方法は開業以来変わらない。炭火でないと、火の通りが違い、おいしい味を出せないのだそうだ。「ペラ焼き」を焼く中山育子さんは三代目。爽やかな笑顔が「ペラ焼き」の美味しさをさらに引き出してくれる。
 鉄板に生地を薄く伸ばし、カツオブシの粉と青のりを振りかける。その上にたっぷりのネギを乗せ、「天ぷら(じゃこ天)」と呼ばれる魚のすり身を揚げたものを刻んだものを乗せる。生地と溶き卵をかけて裏返し、焼けたらソースを塗る。客に提供するときに端を折るのは、鉄板を無駄なく使おうという工夫である。
 ネギやカツオブシ、天ぷらなど、すべての素材は地元のものを使う。材料がなくなれば、近所で調達。まさに、鮮度は抜群だ。
 ソースの辛さは、注文で好みの味で食べることができる。しかし、甘辛の度合いに関係なく、ビールが似合う。酒どころ・高知のためか、二日酔いのときに食べにくる人も多いという。
 ふんわりとした生地に、ソースが染み渡り、天ぷらの風味とネギの香りが溶けあう。素朴な食材が醸す、懐かしい味わいの粉もんである。
 中山さんにおいしさの秘訣を聞くと、「感謝してつくる。気持ちを込めて焼くことかねえ」と答えてくれた。懐かしいソウルフードは、温かいふるさとの味がした。

四国B級ご当地グルメ連携協議会(四B連)
一般社団法人 四B連企画
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