「B級グルメ」は、安価で日常的に食べられている庶民的な飲食物のこと。
このページではA級・B級にこだわらず、
地域の人々に親しまれている食材を使った料理や、
地域の人々から愛されてきた料理の「ご当地グルメ」をご紹介しています。
【団体】須崎名物「鍋焼きラーメン」
    プロジェクトX

路地裏からうまれた
心を温めるラーメン

 「須崎鍋焼きラーメン」は、戦後間もなく須崎市街の路地裏にあった『谷口食堂』をルーツとし、その当時は「鍋焼き中華そば」といわれていた。店主の谷口兵馬が、出前の際、ラーメンが冷めないよう、ホーロー鍋に入れたのがその由来である。
 戦後の食糧難の時代でも、「ネギ」「玉子」「ちくわ」などの食材は調達しやすかった。また、『谷口食堂』のすぐ近くに「醤油屋」、店の前に「鶏屋」があったので、中華そばの命のスープは必然的に醤油味で、鶏ガラや廃鶏を使った。製材業が盛んな須崎では、「おがくず」も大量に調達可能。その「おがくず」でスープを長時間煮込んだのである。
 数年後、『谷口食堂』の2軒となりの『みつだ食堂』が土鍋を使った「鍋焼き中華そば」を提供、さらに数十メートル離れた『水野食堂』でもメニューに加えられた。『谷口食堂』の近所にあった銭湯の帰りに「鍋焼き中華そば」を食べるのが当時の贅沢だったという。この3軒が「須崎鍋焼きラーメン老舗御三家」と評される。
 元祖『谷口食堂』は、昭和55年(1980)に店を閉じたが、「鍋焼き中華そば」は評判となり、さまざまな飲食店がその後もメニューに加えていった。奇しくも平成14 年に高速道路が延伸したころ、世間はラーメンブームに沸いていた。そこで地域活性化のシンボルとして「鍋焼き中華そば」は「須崎鍋焼きラーメン」と名前が変わり、須崎の誇るご当地グルメとして発信した。
 平成14年1月には、須崎商工会議所で「須崎名物『鍋焼きラーメン』プロジェクトX」が発足。アンパンマンで有名な漫画家、やなせたかし氏によるキャラクター「なべラーマン」と、「カウちゃん」も生まれている。平成23年(2011)夏現在、須崎鍋焼きラーメンは36のお店で食べることができるまでとなった。

四国B級ご当地グルメ連携協議会(四B連)
一般社団法人 四B連企画
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