街道のパラソルが
目印になっていた冷菓
高知名物のアイスクリンは、道路沿いのパラソルの下でよく売られていた。砂糖・たまご・脱脂粉乳・バナナ香料を原料とするアイスクリンの乳脂肪分は3%以下。そのため、アイスクリームならぬ氷菓子の仲間となる。乳脂肪分が少ないことが、特有のさっばりとしたサクサク感を生みだすのである。
大正10年(1921)、高知アイスクリーム商工業協同組合が設立され、県内各地で行商が行われたが、戦後にはその数を大きく減らした。そこで、モータリゼーションの発達に応えようと、アイスクリンの露店が道路脇に増えていったという訳だ。
明治2年(1869)、日本最初のアイスクリームは「アイスクリン」と呼ばれていた。高知の氷菓子は、その名を今も残しているのである。 |