「B級グルメ」は、安価で日常的に食べられている庶民的な飲食物のこと。
このページではA級・B級にこだわらず、
地域の人々に親しまれている食材を使った料理や、
地域の人々から愛されてきた料理の「ご当地グルメ」をご紹介しています。
松屋旅館
高知県四万十市中村大橋通4丁目50
TEL 0880-34-3388
【月~金】11:30~13:00、17:00~21:30
【土】17:00~21:30
定休日/日曜日(8・12月無休)
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ヒヨの焼鳥

幡多のヒヨドリ

 高知県の西南部は幡多地区と呼ばれる。「幡多」は「秦=はた」に通じ、黒潮に乗って大陸文化が渡来したという学者もいる。その幡多地区の一部で、地元では「ヒヨ」と呼ばれる野鳥「ヒヨドリ」が食べられている。
 江戸時代の百科事典『本朝食鑑』には、「味は最も佳い」「ヒヨドリが椿の実を食べる頃、(中略)嘴を開いて醤を入れ炙ると、尚美味しい」と記されている。
 スズメの仲間の「ヒヨドリ」は、もともと渡り鳥だったが、留鳥として日本に一年中棲むようになった。「ヒヨドリ」の名は、源平合戦の頃、源義経が一ノ谷の戦いで、「ひよどり越え」と称する深い谷を進んで平家の軍勢を攻めたことでも知られている。
 「ヒヨドリ」は、みかんなどの果樹を食い散らかすため、地元のハンターが駆除。冬の四万十市では、市場で「ヒヨドリ」の競りが行われている。

ヒヨドリの美味しさ

 「ヒヨの焼鳥」を食べられるのが、四万十市中村大橋通の「季節料理 たにぐち」だ。昭和27年創業の老舗で、新鮮な海の幸や山の幸、清流四万十川が育んだ川えびや鮎、うなぎ、ゴリなどが味わえる。四万十市の料理屋で人気の「青さのりの天ぷら」は、この店が発祥だという。
 「ヒヨの焼鳥」は、やみつきになるほどの美味しさだという。つまんでみると、なるほど深い味わいの肉だ。ウズラ肉に似ているが、もっと濃い味で癖がない。この味を覚えた観光客が、来店時にいつも注文するというのも、うなずける味だ。
 「ヒヨドリ」の足をふたつに分け、しゃぶるようにして足の身を食べる。胸の部分は、柔らかい骨ごと食べても大丈夫だ。
 「ヒヨドリ」は1〜2月中旬頃に鉄砲やひっかけ網で獲られたものを使う。この頃になると、「ヒヨドリ」は脂がのり、一段と旨くなる。「たにぐち」三代目の谷口一彦さんに伺うと「冷凍して、注文に応えている」とのこと。「ヒヨドリ」が売り切れるまで、味わうことができるのである。
 幡多地区を訪ねたときには、「ヒヨの焼鳥」にチャレンジを…。

四国B級ご当地グルメ連携協議会(四B連)
一般社団法人 四B連企画