親しみを込めて
「けんちゃん」と呼ぶ
「マンバのけんちゃん」というと人名のようだが、れっきとした冬の郷土料理だ。「けんちゃん」とは、くずした豆腐を野菜でいためる精進料理「けんちん」のこと。「マンバ」とは高菜の一種で、「マンバのけんちゃん」は「高菜のけんちん」の意味になる。
霜に当たった「マンバ」は葉が柔らかく、料理に向く。たくさん葉がつくところから「万葉」という。次々と芽ぶくので、百貫採れるという意味で「ひゃっか」と呼ぶ地方もある。
西讃では、粉雪を散らしたような様子から「ひゃっかの雪花」といい、香川のおふくろの味の定番として食卓に登場する。スーパーのお惣菜売場で、よく目にする料理だ。 |