「B級グルメ」は、安価で日常的に食べられている庶民的な飲食物のこと。
このページではA級・B級にこだわらず、
地域の人々に親しまれている食材を使った料理や、
地域の人々から愛されてきた料理の「ご当地グルメ」をご紹介しています。
【団体】今治焼豚玉子飯世界普及委員会

客に出すよりも旨い
まかない飯のメニュー

 今治の中華料理店には、他の地域ではあまり見かけない「今治焼豚玉子飯」というメニューがある。ご飯の上に目玉焼きが乗り、その下に焼豚が隠されて、甘いタレがかかっている。しかも、スーパーの惣菜売場にも並んでいる。
 つくり方はいたって簡単だ。ご飯の上に焼豚のスライスを置き、その上に半熟の目玉焼きをのせ、焼豚をつくるときにできる醤油ダレをかける。甘いタレに卵の黄身という、こってりした味だが、腹一杯になるボリュームと、一度食べたら忘れられない旨さに、学生や若者の人気を得ている。
 半熟の目玉焼きの黄身をご飯とかき混ぜ、ガツガツとかきこむのが通の食べ方。オツにすまして上品に食べる料理ではないということだ。
 もともとは今治市の中華料理の名店『五番閣』の「まかない飯」だったといい、調理人たちの間での人気メニューだった。残りものや常備された材料をもとに安くて美味しい料理を手早くつくる
ことは、従業員が段取りや予算を考える修行にもつながる。飯を盛り、材料を乗せただけで完成する「丼」は、「まかない飯」にぴったりだ。
 『五番閣』の人気まかない飯をメニューに取り入れたのが『白楽天』。その後、修行した『重松飯店』も同時期、メニュー化したとされる。『白楽天』は中国語の呼び名で、『重松飯店』は「焼
豚玉子飯」という直球ネーミングで売り出した。結果、学生たちの間でそれぞれの「焼豚玉子飯」は人気を呼んだ。
『五番閣』ゆかりの店のメニューだった「まかない飯」は、次第に他の中華料理店で出されるようになった。
 「今治焼豚玉子飯」は、ボリュームたっぷりで低価格。「早い、旨い、安い」が大好きな今治人の気風によく似合う料理ということなのだろう。

四国B級ご当地グルメ連携協議会(四B連)
一般社団法人 四B連企画
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