老舗旅館で味わうイノシシ
愛媛県西予市の卯之町中町地区は、宇和街道の宿場町として栄え、伝統的な町並みで知られている。
そのなかに、犬養毅を始めとする多くの政治家・文人に愛された「松屋旅館」がある。火災のために創業年は確としないが、1770年からの資料が残る老舗旅館である。
7代目当主の大氣新平さんは、農学博士でもあり、旅館の料理長も務める。今回は、「ししの里せいよ」のイノシシ肉を使った「ボタン鍋」と、宿泊者のための料理を用意してもらった。
どちらも、西予の食材がふんだんに使われている。季節や時期、お客様の年齢に応じて、折々の食材を調達するといい、すべてに料理人の技とセンスが息づいている。「料理は地域の文化とおもてなしの心が織りなすもの」と大氣さんは語る。
イノシシはS級食材
多くの人が持つイノシシ肉のイメージとは違い、西予のイノシシは脂に甘みがあり、臭みもなく柔らかい。大氣さんは、イノシシ肉を「西予の誇るS級食材」だと賞賛する。
「松屋旅館」では、イノシシに限らず、西予で採れるさまざまな食材を活かした華麗な盛りつけの美味しい料理が堪能できる。心に残る味わいと伝統の佇まいは、西予の旅の印象を、観光客の心に深く刻んでくれることだろう。
イノシシ肉たっぷりのカレー
国道56号沿いのレストラン「野福」で人気の隠れメニューが「いのししカレー」だ。たっぷりのミンチとスパイシーなキーマカレーの組み合わせは、豊かなイノシシの味を引き立てると評判になっている。レトルトパックの計画も進行中という。
「イノシシ鍋」も予約すれば、食べることができる。 |