「B級グルメ」は、安価で日常的に食べられている庶民的な飲食物のこと。
このページではA級・B級にこだわらず、
地域の人々に親しまれている食材を使った料理や、
地域の人々から愛されてきた料理の「ご当地グルメ」をご紹介しています。
▲イワナとニジマスの卵が入ったいくら丼。800円。
あまごの里
愛媛県大洲市河辺町北平4293
TEL0893-39-2915
定休日/年中無休
営業9:00〜20:00
http://hb9.seikyou.ne.jp/home/amagonosato

山の中の別天地で味わう

心やすらぐ特別な場所
 内子ICから大洲市の鹿野川ダムへ向かい、大きな鳥居近くの道を曲がって河辺川沿いの山道を車で走ること約30分。『ふるさとの宿』を超えてしばらく行くと『あまごの里』がある。
 『あまごの里』は、おじいさんの代から30年以上、家族で民宿と食堂を営んできた。建物の横には「ニジマス」や「イワナ」「あまご」の養殖場があり、釣り堀も楽しめる。都会の喧噪を逃れて、渓谷のせせらぎを聞きながら、のんびりと過ごせるところだ。

あまごをさつまに
 「あまご」はサケ科の淡水魚で、雨が降るような日によく釣れることから「雨の魚」とも、「清流の女王」とも呼ばれ美しい姿をしている。20度以下の水温に加えて、水質のきれいなところでしか育たない「あまご」は、この地方での養殖に最適なのである。
 『あまごの里』では、「あまご」を「さつま」で食べさせてくれる。「さつま」は南予地方の郷土料理で、鯛などの海の魚を使うことが多い。焼いた魚の身と麦味噌をすり鉢ですりおろし、火にかざして焼いたあと、ダシ汁を入れてのばす。その中に薬味を入れ、温かい飯にかけて食べる料理だ。
 初めて食べる「あまごのさつま」は、「あまご」の魚粉味と味噌ダシのバランスがよく、ご飯の間にゴマや梅が配されて、爽やかさを誘う味である。ご主人の梅木さんに伺うと、この辺りの家庭でよく食べられている料理で、「河辺では、あまごは手に入りやすい魚ですからね」と笑った。

謎のいくら丼
 続いて、「いくら丼」を食べてみた。「いくら」といっても、鮭ではなく、イワナとニジマスの卵が載った二色丼だ。冬の産卵時に採ったものを冷凍保存しておくため、丼に載る卵の種類は、その都度変わるという。口にほうばり、やや固い皮に包まれた卵を破ると、濃厚な味が広がる。
 「あまごのさつま」と「いくら丼」が食べられるなら、『あまごの里』までの細い山道など、少しも気にならないと思ってしまった。

四国B級ご当地グルメ連携協議会(四B連)
一般社団法人 四B連企画

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